| ◆飛行機から強制退去させられた日本人◆ |
あるヨーロッパツアーからの帰国時のことでした。 ヨーロッパの航空会社を使っての帰国でしたが、 満席とあって団体でもらった座席はややバラバラ状態だったにですが、シートチェンジすることは不可能な状態。 ひとつだけ席が3人がけの真中にありました。 お客様をひとりだけ真中の席にお座りいただくわけにはいかず、 私自身がその座席に座ることにしました。 通常ツアコンは、搭乗の案内がありほとんどの方が搭乗した後で搭乗します。 搭乗案内の後、お客様すべてが搭乗したかどうかコンピューター上で確認するのです。 私はいつものように私のお客様の登場を確認し飛行機の座席に向かっていきました。 満席とあって私の座る席の左右にもすでに、私のグループとは違う個人のお客様がすでに座っていらっしゃいました。 私は真中の席に座らせていただく為に 「すみません、よろしいでしょうか?」 と座りやすいよう座席をちょっとだけ立って頂くようお願いしました。 その人は日本人。 その人が立って私が座ろうとした瞬間・・・・ 何を思ったか、その人はまた座席に座りなおし、 てこでも動かないぞ、とばかりにまっすぐと前を向いたまま知らん顔。 私はもう一度、 「真中の席が私の席なのですが・・・」 と言うと、 「絶対座らせない!○○××△△?%%##・・・」 と不明なことを大声で口走りだしたのです。 その様子は、ちょっと狂気じみた異様な感じで、恐ろしさすら感じたのです。 私はすぐに近くにいたスチュアーデスに 「私の横の座席の人が変です。どこか違う席はありませんか」 と聞きにいきました。 たまたまそのスチュワーデスは一部始終私たちのやり取りを見ていたようで、 「ちょっと待っていてください。機長を呼んできます」 と言うのです。 私は、 「機長までは呼ばなくていいのに・・・・大げさな。どうしよう」 と思っていると間もなく本当にコックピットから機長が来てくれたのです。 機長は、 「ご迷惑をおかけしました。あの方には降りていただきます。」 と思いもかけないことを言い出したのです。 理由を聞くと、実は搭乗手続きのときから奇奇怪怪な言動があったそうなのです。 乗客に義務付けられている荷物のX線検査も拒否したり、 相当おかしな言動があった為、 「万が一飛行機が出発する前に他の人に迷惑を掛けるようなことがあればすぐに飛行機から降ろす。」と言うことが決まっていたそうなのです。 その人が登場してからもスチュアーデス全員にその情報が伝わっており、皆で注意深く監視していたのだそうです。 運悪く私はその人の横の座席に当たってしまったわけで・・・・ 私が座席に行く前からやはり、おかしな言動で回りの乗客は不安でいっぱいだったそうです。なぜか、「私は医者だ」と回りの乗客に吹聴し、しばらくすると「私は記者だ」と言うのだそうです。 回りが「怖い」と思っていたときに私がやってきて、その人は機長により強制退去させられたと言うわけでした。 機長自ら 「わかっていますね。一緒に来てください」 と英語でその日本人に問うと、その日本人はちゃんと英語を理解しおとなしくうなづいて降りて行きました。 その瞬間、回り乗客からは拍手が聞こえましたから、その人が搭乗してからの言動がいかにおかしかったがわかりました。 最近は少しおかしな人がいるものの、飛行機から強制退去させられたのを見たのは初めてでした。 頭のおかしな人を出発前に降ろすと言う、航空会社の決断には感心させられました。 万が一フライト中何かあったら取り返しがつかないことになってしまいます。 その人が出発直前に降ろされた事ににより、その人が預けた荷物も探して降ろさなければなりません。お陰で出発遅れになってしまいましたが、安全上仕方のないことです。 やっと飛行機が飛び立ちシートベルトのサインが消えた時、 先ほどの機長が私の席へわざわざ出向いて来てくれました。 丁重なお詫びの言葉と同時に、お詫びの印としてコックピットへ招待してくれました。 私はお言葉に甘えてコックピットへ入れてもらい色んなお話も聞かせて頂く事ができました。 しかし、強制退去させられたのが不信な人物が日本人であったのは残念でが、 夜のフライトだったので、コックピットから見た夜空はとっても綺麗でちょっとラッキーな気分でした。 <<戻る |